2001 年 90 巻 6 号 p. 1019-1023
節外性リンパ腫は皮膚を除けば大多数がB細胞性リンパ腫である.このなかには臨床的あるいは病理組織学的にリンパ腫に先行する慢性炎症所見が確認されるものがあることから「慢性炎症を基盤に発生する悪性リンパ腫」の概念を提唱した.これまでの研究により知見が蓄積された甲状腺リンパ腫,膿胸関連リンパ腫(pyothorax-associated lymphoma: PAL)について主に紹介したい.慢性炎症巣において産生されるサイトカイン,活性酸素が腫瘍発生促進的に働いていると考えられる.