2001 年 90 巻 6 号 p. 1038-1043
免疫不全があると, EBVの感染により不死化したBリンパ球が免疫監視機構を潜り抜けて増殖し,その結果として日和見リンパ腫が生じる.近年, AIDSや,臓器移植等の医療に合併する医原的免疫抑制により,日和見リンパ腫が増えている.最近注目されている日和見リンパ腫の一型として慢性関節リウマチで, methotrexateの,長期間,低容量間欠投与による日和見リンパ腫がある.本稿では日和見リンパ腫の発生機序,各臨床背景ごとの日和見リンパ腫の病型の異同,治療の現況について述べた.