日本内科学会雑誌
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子宮内胎児発育遅延で明らかとなつた抗リン脂質抗体症候群を伴つた全身性エリテマトーデスの1例
松岡 弘高松井 聖冨永 幸冶伊田 昌功皆川 京子谷澤 隆邦窪田 彬香山 浩二波田 壽一
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2002 年 91 巻 4 号 p. 1313-1316

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抄録

症例は23歳,女性.初産婦で妊娠29週より蝶形紅斑と子宮内胎児発育遅延を指摘され当院に紹介.顔面に蝶形紅斑,上下肢に紅斑さらに蛋白尿,白血球減少,抗核抗体陽性,抗DNA抗体陽性,抗リン脂質抗体陽性からアメリカリウマチ学会(ACR)の全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus: SLE)診断基準のうち5項目を満たし, APTTの延長を伴う抗リン脂質抗体陽性であることから抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome: APS)による胎盤梗塞のための子宮内胎児発育遅延(intrauterine growth retardation: IUGR)と考えた.妊娠後期にIUGRで見つかったAPSを伴うSLE発症症例は興味深いと考え報告する.

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