日本内科学会雑誌
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胸部X線写真上の異常陰影を契機に発見されたBudd-Chiari症候群の1例
藤井 秀毅新藤 高士澤田 喜博南 武志金山 周次細見 尚弘
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2002 年 91 巻 7 号 p. 2196-2198

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抄録

症例は61歳,女性. 2000年6月頃より左下腿の腫脹・熱感出現し,胸部X線にて異常陰影を認め入院.身体所見では,下腿浮腫,腹水,腹壁静脈の怒張認めず,検査成績も著変なし.画像検査にて,肝部下大静脈の閉塞と,多数の側副血行路が認められ,胸部の異常陰影はこのうち最大のものであった.肝静脈造影では右肝静脈しか描出されず, Budd-Chiari症候群と診断.本例は多数の側副血行路により典型的な症状を呈さず経過したと考えられた.

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