2002 年 91 巻 9 号 p. 2756-2758
症例は71歳,女性.足の異常感覚で発症し, 3年後には四肢の高度の深部感覚低下と運動失調を認めた.血液検査,髄液検査に異常はなく,神経伝導検査では感覚神経のみに異常を認めた.腓腹神経生検では大径有髄線維が比較的高度に脱落していた.慢性特発性失調型ニューロパチー(CIAN)と考え,大量ガンマグロブリン静注(IVIg)療法を施行した所,立位可能な状態に回復した. CIANは稀な疾患であるが,治療可能であり,感覚性末梢神経障害の鑑別疾患の一つとして考慮すべきである.