2003 年 92 巻 11 号 p. 2158-2164
我が国では欧米で見られるようなアゾール耐性Candida albicansや低感受性のnon-albicans Candida属の割合が増加する傾向は顕在化していないが,医療技術の進歩に伴い,耐性真菌はいずれ直面する問題になるものと考えられる.その対策として,アムホテリシンBの脂質製剤や新世代のアゾール系抗真菌薬, 1, 3-β-D-グルカン合成酵素阻害薬などの新規抗真菌薬が期待されている.さらに,耐性真菌を誘導しないための適正な抗真菌薬の使用など種々の臨床的研究や実践が必要である.