総合診療部門では,全人的プローチをふまえた医療,および内科外来診療に重点を置いた幅広い臨床医学を実践できる医師の養成が目的である.そのためには,臨床医学全般にわたる知識や技能,態度の修得が必要であるが,卒前教育については医の原則,患者と医師,診療における論理的思考,基本的診療技能,臨床疫学,医療と社会,地域医療などを担当している大学が多い.最近,医学教育に能動的学習方法を導入することが勧められ,さらに臨床医学では医療チームに加わった病棟実習や,地域の病院や診療所での実習が求められている.このような状況の変化から,総合診療部門は文字通り教育目標の3領域(知識,技能,態度)全部に係わっていると思われる.