2003 年 92 巻 2 号 p. 227-233
若年者高血圧の特徴および治療について,臨床上重要と思われることを中心に概説した.主な特徴は,二次性高血圧症の頻度が高いこと,本態性高血圧症では軽症例が多く臓器合併症が少ないことである.病態生理的には,交感神経機能およびレニン-アンジオテンシン系の亢進が指摘されている.治療は減塩や適性体重の維持など非薬物療法が中心になるが,薬物療法では患者の病態生理を考慮し降圧薬を選択する.若年者高血圧の早期発見,早期治療は将来の心血管系疾患の予防という観点から重要である.