日本内科学会雑誌
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高アンモニア血症を呈したIgD-λ型形質細胞性白血病の1例
皆内 康一郎藤江 禎二松原 詞子笠原 英樹小椋 庸隆田村 元男山根 康昭田中 昌博種市 幸二
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2004 年 93 巻 1 号 p. 139-141

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抄録

症例は61歳,女性.右側頭部・眼窩部腫瘤摘出術の術前検査において白血球増加を認め精査目的に入院となった.骨髄穿刺にて異型性のある形質細胞の増加, IgD-λ型M蛋白を認めたことより形質細胞性白血病(以下PCL)IgD-λ型と診断した.入院時, NH3 239umol/lと高アンモニア血症を認めた.入院時肝酵素の上昇を認めたが各種ウイルスマーカー,自己抗体は陰性であった. PCLに対しVAD療法を施行し血清NH3値も病勢に相関して低下しその後VAD不応性となった時点で再び上昇した.文献的考察と併せて多発性骨髄腫における高アンモニア血症が予後不良因子である可能性が考えられた.

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