日本内科学会雑誌
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口腔アレルギー症候群とラテックスアレルギー
池澤 善郎
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2004 年 93 巻 5 号 p. 1032-1040

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抄録

口腔アレルギー症候群は,通常の食物アレルギーとは異なり,消化吸収の前段階の口腔を中心とした部位での即時型食物アレルギー症状を指す.病態は口腔粘膜部の接触蕁麻疹であり,上咽頭鼻眼症状は花粉症に類似している.多くは,食物摂取後15分以内に口腔・口唇・咽喉頭部の刺激感・痒み・腫張・喉頭閉塞感等が出現し,時に,蕁麻疹・消化器・呼吸器症状・アナフィラキシーなどを伴う.原因食物としては,樹木花粉や雑草花粉のアレルギーやゴムラテックスのアレルギーと交差反応する果物・野菜・穀類などの植物性食物が大半で,時に,エビ・カニ・生魚などの新鮮な魚介類,卵,小麦などもOASの原因食物となる.花粉症やラテックスアレルギーと関係して発症する植物性食物による口腔アレルギー症候群は,それぞれ,花粉食物アレルギー症候群(Pollen-food allergy syndrome)やラテックス果実症候群(Latex-fruit syndrome)とも呼ばれ,それぞれ前者では,花粉や果物・野菜に含まれるパンアレルゲンのprofilinやBet v1-関連抗原が,後者では,果物・野菜の主要な生体防御蛋白質であるPR蛋白質(感染特異的蛋白質・植物ストレス蛋白質)が交差反応性抗原として交差反応により果物・野菜のOASを引き起こす.いずれも従来のタイプ1食物アレルギーと違って,感作抗原と誘発抗原が異なるタイプ2の食物アレルギーに分類される.

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