日本内科学会雑誌
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1.予後と社会問題
成井 浩司
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2004 年 93 巻 6 号 p. 1147-1155

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抄録

睡眠時無呼吸症(Sleep apnea syndrome: SAS)において,最も注目されるのは合併症の存在であり,特に心疾患に関しては予後を規定する最大の因子である. SASは心疾患の原因になる肥満を含むmetabolic syndromeの合併症として考えられ,心疾患のハイリスク群に合併しやすい病態として認識されてきた.近年, SAS自体が心疾患の原因,悪化因子であることが明らかにされてきており,循環器領域においても大きく注目されている.肥満の程度が比較的軽い本邦でも,閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea; OSA)は近年の肥満人口に伴い有病率が増加している. OSAは睡眠から頻回の覚醒を起こし,日中の眠気などの精神神経機能障害をきたし,交通事故や作業事故の増加をもたらす.この睡眠障害により低酸素血症,高炭酸ガス血症そして交感神経活性の上昇は高血圧の発症,進展と密接な関係をもち,虚血性心疾患や脳血管障害,心不全などの心血管系疾患への関与も明らかになっている.本稿では, OSAの予後を規定する心疾患とOSAによる眠気から生じる社会問題について述べる.

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