2004 年 93 巻 6 号 p. 1180-1182
発端例は高校野球部生徒で左胸痛を主訴に受診した.血液検査,胸部単純X線,心電図,心エコー検査を行い,典型的ではなかったが,急性心膜炎疑いにて入院となった.その後同校野球部とサッカー部内で同様の症状を訴える生徒が多く出現し,流行性胸膜痛(Bornholm disease)の集団発生を考えた.経過により,コップやペットボトルの回し飲みによるエンテロウイルス属の経口感染を強く疑った.集団発生により流行性胸膜痛と診断できた興味深い症例であり,報告した.