日本内科学会雑誌
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咳喘息とアトピー咳嗽
藤村 政樹
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2004 年 93 巻 6 号 p. 1200-1205

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抄録

初診時の一般診療によって原因が特定できない8週間以上持続する咳嗽を慢性咳嗽という.我が国における慢性咳嗽の3大原因疾患は,咳喘息,アトピー咳嗽および副鼻腔気管支症候群である.咳喘息は,気管支拡張薬が有効な咳嗽と定義され,約30%の患者が喘息を発症するため,喘息の前段階と認識される.その基本病態は,病理学的には中枢から末梢気道全体の好酸球性気道炎症であり,生理学的には軽度の気道過敏性亢進と軽度の気管支平滑筋トーヌス亢進である.咳感受性は正常である.アトピー咳嗽の基本病態は,病理学的には中枢気道に限局した好酸球性気道炎症であり,生理学的には咳感受性の亢進である(咳感受性亢進を伴う好酸球性気管・気管支炎).気道過敏性は正常であり,喘息を発症しない.気管支拡張薬が全く無効で,ヒスタミンH1-拮抗薬が有効である.咳喘息もアトピー咳嗽も,吸入ステロイド薬が有効である.

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