2005 年 94 巻 10 号 p. 2125-2131
肺高血圧はMCTD, SScなど強皮症スペクトラムに多く合併する.病態として(1)原発性肺高血圧症(IPAH)と類似(2)血管炎による(3)慢性肺血栓塞栓による(4)間質性肺炎による肺血管床減少に分けられる.予後は極めて悪く突然死,心不全で死亡する.治療は(1)血管拡張薬(2)抗凝固療法(3)心不全治療(強心薬,利尿薬) (4)在宅酸素療法があげられる.原発性肺高血圧(IPAH)と異なり副腎皮質ステロイド,免疫抑制薬が有効な例も報告されている.近年治療薬としてPGI2持続静注療法やエンドセリン-1受容体拮抗薬が承認され,予後改善が期待できる.