2005 年 94 巻 12 号 p. 2514-2522
原因不明の急性肝炎ではE型肝炎の検査が必要である.肝癌対策の一環として, 2002年4月よりB, C型肝炎の肝炎ウイルス検診が開始された. NASH (Non-alcoholic steatohepatitis)が脚光をあびているが,特異的な生化学的マーカーはない.薬物性肝障害,原発性胆汁性肝硬変では最近診断基準が改訂された.肝癌の早期診断は可能になったが,予後の改善が得られていない.一方,ハイリスク群の設定ができない胆道癌,膵癌は未だ早期診断が困難である.最近自己免疫性膵炎の診断基準が作成された.