日本内科学会雑誌
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Toll-like receptorによる生体防御機構
植松 智審良 静男
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キーワード: 自然免疫, シグナル伝達
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2005 年 94 巻 2 号 p. 355-361

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抄録

細菌やウイルス,寄生虫などの異物が体内に侵入した際にそれを排除しようとするシステムとして免疫系が存在する.この免疫系は自然免疫と獲得免疫からなる. T細胞やB細胞などによる獲得免疫系に比べて非特異的であると思われていた自然免疫系について近年TLR (Toll-like receptors)の発見を通じて大きな進展が見られた.病原微生物の構成成分による自然免疫担当細胞の活性化の主要な部分はTLRを介して行われ,その構成成分ごとに異なる特異的な応答が起こるということが明らかになった.本稿では如何にして病原微生物の構成成分がTLRを介して細胞を活性化させるか細胞内シグナル伝達の最新の知見を交えて概説する.

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