日本内科学会雑誌
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パーキンソン病の遺伝子異常
波田野 靖子李 暁冰服部 信孝水野 美邦
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2005 年 94 巻 4 号 p. 775-781

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抄録

家族性パーキンソエズムではPARK1-11までの遺伝子座がマップされ,そのうちα-synuc1ein, parkin, UCH-L1, DJ-1, Nurr1, LRRK2/dardarinの原因遺伝子が同定された.そして現在その遺伝子産物の機能解析が進められている.最近になり常染色体劣性遺伝性パーキンソニズム(ARPD)の新たな原因遺伝子としてPINK1が報告された. PINK1遺伝子変異は日本とイタリアを中心に報告されているが, parkin遺伝子変異に次いで頻度の高い遺伝子異常であることが指摘されている.その臨床型は,発症年齢は平均32歳,発症時のジストニアや睡眠効果などPARK2に見られる特徴的な臨床症状は目立たず,むしろ孤発型パーキンソン病(PD)との類似性が指摘されている. PINK1の機能は未だ不明だが,ミトコンドリア機能異常との関連が指摘されている.孤発型PDには,ミトコンドリア電子伝達系の機能低下が重要な病態であるとする多くの確証が存在する.このことは遺伝性と孤発型が共通したメカニズムによって惹起されることを意味している.まだ報告例は少ないが, PINK1遺伝子の同定によりパーキンソン病の分子遺伝学的研究はさらなる展開を迎えた.

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