2005 年 94 巻 5 号 p. 853-858
全身性エリテマトーデス(SLE)は,若い女性に生じやすい膠原病の1つで,患者ごとに臨床症状に幅があり,皮虜科,整形外科,腎臓内科,精神科などを初診する可能性がある.尿異常・腎機能異常がある場合は積極的に腎生検を行う.急性期には寛解導入療法,慢性期には維持療法が必要になる.副腎皮質ステロイド薬の初期量や免疫抑制薬の併用は組織分類別または病態によつて決定するが, SLEは慢性疾患であることを意識し,副作用の少ない薬剤を少ない量で投与することが原則である.