日本内科学会雑誌
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高度の肺高血圧を呈し著明な肺動脈の粥状硬化を認めた真性多血症の1例
柳川 和範山根 光量岡田 拓也桐野 基浩蓮池 俊明大塚 章人水谷 肇竹村 芳多田 秀敏市原 紀久雄
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2005 年 94 巻 5 号 p. 969-972

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抄録

症例は80歳,男性.多発性脳梗塞の既往があり真性多血症で通院中,呼吸困難にて入院.著明な低酸素血症があり,心エコーで右心系の高度拡大を認め,肺動脈圧95/42 (59) mmHgと著明な肺高血圧を呈した.治療に抵抗し,右心不全から両心不全となり第12病日に死亡.剖検では肺動脈幹部に著明な粥状硬化を認めた.真性多血症による血液粘稠度の亢進に起因する,末梢動脈の内膜障害・微小血栓形成が肺高血圧症の原因と考えられた.

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