日本内科学会雑誌
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Calcium Sensing Receptor (CaR) Agonist
溝渕 正英秋澤 忠男
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2005 年 94 巻 5 号 p. 979-983

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抄録

calcium-sensing receptor (CaR) agonistのcalcimimeticsは副甲状腺CaRにallosteric activatorとして作用し, CaRの細胞外Ca2+に対する感受性を高め,副甲状腺ホルモン(PTH)の合成・分泌を強力に抑制する薬剤である.血中CaやP濃度の上昇は血管石灰化に代表される異所性石灰化病変を促進させ,さまざまな合併症を誘発する.これまで二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)の治療の中心は,ビタミンD製剤やカルシウム(Ca)含有リン(P)吸着薬であった.これらの薬剤では血中Ca, P濃度を上昇させることなく,効果的なSHPT治療を継続するのは困難なことが多かった. calcimimeticsはPTHを強力に低下させるとともに血中Ca, P値も低下させることから, SHPTに対してのみならずCa・P代謝異常に起因する血管石灰化や骨病変など透析患者の生命予後を規定する合併症に対しても有用な管理手段として期待される.

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© The Japanese Society of Internal Medicine
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