日本内科学会雑誌
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2.特発性肺線維症(IPF)の新規治療法の開発:抗炎症薬から抗線維化薬へ
岡本 竜哉菅 守隆
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2005 年 94 巻 6 号 p. 1075-1081

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抄録

特発性肺線維症は効果的治療法のない予後不良の疾患で,抗炎症薬から成る現在の治療法では,平均生存期間は5年未満にすぎない.その病態に関し近年,概念の変遷が見られる.その背景として, (1)線維化の進展に炎症細胞の関与を示す証拠がなく, (2)患者の肺線維芽細胞は増殖能と細胞外基質産生能が極めて高いという知見が挙げられる.本稿では上皮の傷害と線維芽細胞の異常制御が本態であるという観点に立ち,新規薬剤の開発動向について概説する.

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