94 巻 (2005) 6 号 p. 1172-1182
1970年代初頭, CTの登場をもって画像診断は画期的変貌を遂げた.しかし,それが単に新しい時代の幕開けに過ぎなかったことは,現在,誰の目にも明らかである. 1980年代初頭CTから主役の座を奪ったMR技術の躍進は, 21世紀に入った現在でもその衰えを見せず,次から次へと「限界の壁」を破り続けている.高速撮像法は「秒」のハードルをやすやすと越え,高分解画像は「顕微鏡」の世界に突入した. MR機能画像の登場はPETすらも古典化しつつある. real time機能画像をも射程距離に置いたMRの最先端技術は,「こころ」と「からだ」を同時に写し出す「究極の診断学」に向けて,まっしぐらに進んでいる.人類が己を知る時代とも言われ,医学がQOLにその重点を移行した21世紀,臨床実践にとっても脳神経学にとっても欠かすことのできない, MRの最新技術を展望する.