2005 年 94 巻 8 号 p. 1536-1540
痴呆には脳の病気以外にも数多くの問題が関与しており,生活機能障害をきたしている.当然行き届いた対策が求められるが,これを一カ所の施設でこなすのは困難である.そのため,諸機関の連携が課題となってきており,チームワークを有効に生かすことでむだな負担が軽減され費用の節約も期待される.連携の窓口ならびに中心には,患者の日常生活を把握しているかかりつけ医などの実地医家が位置することになる.これらの医師は連携を統括するためにも,痴呆に関する基本的な知識をあらかじめ身につけておく必要がある.