日本内科学会雑誌
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胃切除後に再発を繰り返したWernicke脳症の1例
有村 公一村井 弘之菊池 仁志重藤 寛史谷脇 考恭古谷 博和吉良 潤一
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2005 年 94 巻 8 号 p. 1606-1608

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抄録

症例は45歳男性. 42歳時に噴門側部分胃切除を施行.術後,眼球運動障害と四肢脱力,体幹失調を2回繰り返した.頭部MRIで両側視床および中脳水道周囲に異常信号域を認め,血中ビタミンB1が著明に低下していた.入院当日よりビタミンB1を投与開始したところ2日目には眼球運動障害は消失, 2週間後には歩行可能となった.大酒家でなくても胃切除の既往を有する例では少量のアルコール摂取でも繰り返しWernicke脳症を起こす可能性が考えられた.

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