名古屋文理大学紀要
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手ばかりによる食品重量推測能力習得に関する研究 -食品形状および学年間の違いについて-
中村 裕子松本 美保大西 美佳百合草 誠
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2013 年 13 巻 p. 11-18

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抄録

食品重量推測能力は献立計画や栄養教育などの栄養士業務を行う際に必要な能力である.本研究では料理の外観から食品重量の推測能力を習得することを目的とし,食品形状別,学年別について,重量推測能力の違いを検討した.また,手ばかりによる重量推測能力と手のひらの大きさとの関連性についても合わせて調査した.対象者は栄養士養成課程1年生77名,2年生71名,合計148名.調査方法は,コールスローサラダを目測し,キャベツ,にんじんの原材料食品,調理済み食品を手ばかりにより採取させた.手ばかり採取量と実測重量から誤差率(以下,手ばかり誤差率という)を算出し分析した.また,手の大きさを計測し手ばかり誤差率との関連性も調査した.結果からキャベツの手ばかり誤差率が1年生,2年生共に調理済み食品において有意に少ないことが示された(p<0.01).にんじんの手ばかり誤差率では,2年生が調理済み食品に有意に少なかった(p <0.01).学年別では,2年生の調理済み食品が有意に少ない値であった(p <0.01).また手の大きさと手ばかり誤差率との関連性は認められなかった.原材料食品を調理した場合の食品重量感覚が養われていないため,調理前後の食品形状の違いによる重量感覚が習得できるように,教育手法の検討が必要と考えられる.

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© 2013 名古屋文理大学
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