名古屋文理大学紀要
Online ISSN : 2433-5517
Print ISSN : 1346-1982
「池子の森を守る運動」を通して1980年代日本社会における「新しい社会運動」を再考する 2
井上 治子
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2014 年 14 巻 p. 59-66

詳細
抄録

本稿は,神奈川県逗子市池子米軍住宅建設反対運動(=池子の森を守る運動)について,1986年から1991年にかけて実施された調査研究結果に基づき1992年に執筆された未刊報告書に,加筆・修正を加えたものの第二部分である.問題の経緯と運動の発生・発展・分裂・衰退について概観した第一部分は昨年度2013年3月刊の名古屋文理大学紀要に収録されており,本稿はその続稿となる. 本稿では,運動成員の属性や運動組織の特徴について,質問紙調査結果・聞き取り調査結果・運動が配布したビラ・文献に沿って明らかにすることが目指される.検討される項目は、(1).運動成員の基本属性、(2)リーダーとリーダーシップ,(3)組織,(4)運動の目的,(5)政治的態度と既存政党との関係,(6)運動戦略上の特徴,(7)参加動機,の7点である. これらの検討から,当運動が上記7点のいずれから見ても従来型の社会運動と異なる特徴を備えていることが確認される.

著者関連情報
© 2014 名古屋文理大学
前の記事 次の記事
feedback
Top