2015 年 15 巻 p. 75-80
本研究の目的は,中学生の親の全体的自己価値と知覚された夫婦関係が2 年間でどのように変化するのか,全体的自己価値に夫婦関係は影響を与えているのかを検討することである.全体的自己価値は,どれだけ自分のことが好きか,満足しているのかなど自分自身を肯定的あるいは否定的に評価する程度を示している.知覚された夫婦関係は,「満足感」と「葛藤」の2 側面からなる.中学生の親は,2 年間で全体的自己価値の変化はほとんどみられなかった.知覚された夫婦関係についても2 年間で変化はあまりみられなかったが,40 歳代については「満足感」で低下がみられた.また母親についてはTime1 の夫婦間葛藤が,Time2 の全体的自己価値に否定的に影響していた.