本研究は,調布生地に含まれる甘味料の違いが物性にどのような影響を与えるのかを調べたものである.本研究で用いた甘味料は,グラニュー糖,上白糖,トレハロースの3種とした.トレハロースはグラニュー糖の一部を置き換えた.置換率は20%,50%,100%とした.焼成後1日目と3日目の生地について,各試料間の物性を比較した.グラニュー糖と上白糖間との比較では,上白糖を用いた生地の方が数日経過後であっても適度なかたさ(やわらかさ)を保ち,でんぷんの劣化抑制効果が認められた.トレハロースを用いた生地では,50%置換の生地が最も割れにくく,トレハロースの中で最もでんぷん劣化抑制効果が認められた.色差測定によって得られた彩度では,上白糖を用いた生地が最も赤色度が強かった.一方,100%トレハロース含有の生地は最も薄い色だった.