2023 年 23 巻 p. 109-114
大学生及び短期大学生の男女127名を対象に甘いものの好き嫌いと食意識に関する調査を行った.本調査は,菓子が人々に与える心理的影響を明らかにしていくための基礎的な資料を集めることを目的とした.調査対象者の84.8%が甘いものが好きと回答し,頻繁に摂取していることが明らかとなった.甘いものが好きな理由では「美味しいから」という理由が最も多かった.「幸せに感じるから」,「安心するから」などの心理的な影響を理由とする回答は,女子で多く見られた.どのような時に甘いものを欲するかという質問では,男女ともに「疲れたとき」という回答が多かった.甘いものを食べたときの幸福感では,甘いものが好きな人は男女ともに96%以上が「幸福感を感じる」と回答した.甘いものが嫌い,またはどちらでもないと答えた人でも幸福感を感じるという回答があった. これらの結果から,甘いものの適度な摂取が人々の心に良い影響を与える可能性があることが示唆された.今後もより多くの人を対象として,調査を続けていくことが重要であると考える.