名古屋文理短期大学紀要
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システム監査における内部統制概念の課題
吉田 洋
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2000 年 25 巻 p. 29-36

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抄録

本稿では, システム監査における内部統制の展開や内部統制の分類を取り上げた後, 内部統制に関する1990年代の欧米の動向としてSAC, COSO, キャドベリー, CoCo, SAS第78号, COBITを検討した.それぞれの内部統制概念について, 主な利用者, 焦点等の立場に違いはあるが, 内部統制の視点, 組織的目標, 構成要素等を見ると共通点が多いことがわかる.COSOの出現によって, SAS第78号や情報システム監査における内部統制であるCOBITによって概念的基礎が形成された.また, COBITは, 段階的に内部統制の構成要素やフレームワークが細分化され, ITコントロールを取り込んで重層化していることを見ても, ビジネス目標を支援するITコントロール概念の最高位に位置付けられると考えてよい. わが国における内部統制とシステム監査の課題は, よりビジネス目標を支援するITコントロールに焦点をあてる必要があるのではないか.このような世界的動向から見ても, SAC, COSO等の研究成果を取り込んだCOBITの見解から, システム監査における内部統制をテクノロジー指向からビジネス指向へ転換し, あわせて経営者のための自己評価ガイドラインも検討することが課題となる.

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© 2000 名古屋文理大学
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