年金研究
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特集:中年独身者(40~64歳)の老後生活設計
第5回独身者(40~60代前半)の老後生活設計ニーズに 関する調査:過去調査との比較
平河 茉璃絵
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2021 年 15 巻 p. 166-195

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抄録

 今回で「独身者の老後生活設計ニーズに関する調査」は5回目となる。本論文では、女性については第2回調査から第5回調査の結果、男性については第4回調査と第5回調査の調査結果を比較検討した。

 仕事については、男女共に「正社員」として働く割合が増加した。女性については、「正社員」の割合は第3回調査から増加傾向にある。勤続年数は、男女共に5年以上を境に長い期間働く人の割合が増加した。60歳以降も働きたいという意向は第4回調査で一時的に低下したものの、今回調査では上昇した。

 家族・家計については、第4回調査と比べ、50代以降において一人暮らし世帯の割合が高まった。同居人がいる場合、親との同居割合は第4回調査からほぼ横ばいで推移している。世帯全体の年間収入は男女共に200万円を境に、それより低い世帯の割合は増加し、高い世帯の割合は減少した。世帯の生活費(月額)も収入と同様に下方へシフトしている。

 住まいについては、現在の住まいを「自分の持ち家」と回答する割合が男女とも第4回調査に引き続き低下した。男性は「親の持ち家」が第4回調査より4.3ポイント増加した一方で、女性は「親の持ち家」に住む人が微減した。また、女性では第2回調査から増加傾向にある「賃貸住宅(民間・公団・公社)」に住む人が、第5回調査においても増加した。老後に誰と住むか、に関しては、第4回調査と比べて男女共に「1人で暮らす」の割合が減少し、「わからない」の割合が大幅に増加した。

 今の生活について、現在の生活の満足度は、「収入」や「資産・貯蓄」は「不満」と回答した人の割合が「満足」の割合を引き続き上回っているが、その差は縮小傾向にある。介護経験がある人は増加傾向にあり、介護対象者は親が最も多い。

 老後の生活については、いずれの年齢層においても、65歳以降の生活設計を「考えていない」という人の割合が増加した。老後の有力な収入項目として、「公的年金」を挙げた人は過去調査と比較して大幅に減少した。自分の介護が必要になった時の対処法として、「自宅で在宅介護を利用」の回答割合が上昇した。男性では自分の介護が必要になったときの対処法として「公的介護施設を利用」すると回答した割合が低下した一方、女性では「公的介護施設に入所」の回答割合が上昇した。

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© 平河 茉璃絵
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