年金研究
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特集:論文
「くらしと仕事に関するインターネット調査」からみた中年未婚男性の生活実態と意識:調査結果の概要
高山 憲之
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 3 巻 p. 210-262

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抄録

 世代間問題研究プロジェクト「くらしと仕事に関するインターネット調査」(2011 年)を利用して40~60 歳層に位置する未婚男性433 サンプルの生活実態と意識を調べた結果、次の諸事実が明らかになった。

(1)未婚の中年男性は親と同居している人が相対的に多い。

(2)未婚の中年男性は有配偶者と比べると、正社員で働いている人が少なく、非正規や失業中あるいは無職の人が多い。また、自営業や自由業を営んでいる人も多い。

(3)向う2年以内における失業・解雇・転職の可能性は未婚中年男性の方が有配偶者より高めである。

(4)未婚中年男性のうち仕事に不満を抱いている人の割合は40%に近く、彼らの多くは他の仕事に変わりたい、または仕事をすっかりやめたいと願っている。

(5)未婚中年男性の3分の2近くが「40 代の女性も30 代の女性と同程度の妊娠可能性を有している」と誤解している。

(6)妻との同居を老後に予定している未婚中年男性が17%、自分は妻に介護してもらうという未婚中年男性が12%いたが、彼らの40 歳以上における結婚可能性はほとんどゼロに近い。

(7)未婚中年男性の方が有配偶者より肥満の人が多い。また、健康上の問題を抱えている人も多い。

(8)自分でほとんど夕食を作らない人が未婚中年男性の54%を占めていた。

(9)自分は価値のない人間だと思っている人や、気分が沈みこみ、気が晴れないという人が未婚中年男性には相対的に多かった。また、「これから先、楽しみにしている計画がない」という人が60%近くに及んでいた。

(10)未婚中年男性の55%が「10 年後は今より生活水準が下がり、生活が不安定になっている」と回答していた。

(11)未婚中年男性の60%は現在の生活に多かれ少なかれ不満を有していた。

(12)未婚中年男性の65%が帰属階層は「下」または「中の下」であると思っている。

(13)未婚中年男性の本人年収(2010年分)は平均値が390万円強であったものの、100万円未満の人が20%、100万円以上200万円以下が16%を占め、300万円未満の低所得者が合わせて48%に達していた。

(14)未婚中年男性のうち父親から経済的支援を受けていた人が17%、母親から経済的支援を受けていた人が13%いた。また、母親から家事の手助けをしてもらっている人が34%(母親存命中の場合は59%)いた。

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© 2016 高山憲之
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