年報政治学
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〔特集〕 政党研究のフロンティア
選挙制度改革の政治学
―カリフォルニア州のプライマリー改革の事例研究―
西川 賢
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2016 年 67 巻 2 号 p. 2_37-2_55

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抄録

アメリカ合衆国の 「プライマリー」 (「予備選挙」) は多様で, 同じ州でも時代ごとに形態が異なる。なぜ, プライマリーの形態は変化するのか。この疑問に, 選挙制度改革を 「特定の政策要求者集団が他の政策要求者集団に対して優位に立つために自らの影響下にある政治家を操作して行わせるもの」 とみる立場から説明が試みられた。だが, 先行研究で決定的事例に位置づけられるカリフォルニア州ですら, 政策要求者集団が改革を規定する原因であったかどうか再検討の余地がある。本論文ではカリフォルニア州の事例を再度取り上げ, 過程追跡の手法を用いて (1) 多重立候補制度の禁止, (2) ブランケット・プライマリー導入, (3) ブランケット・プライマリー提訴, (4) TTVG導入を 「結果」 と捉え, 先行研究による説明の妥当性について追検証を試みた。その結果, 政策要求者集団の影響はいずれの事例内観察においても左程顕著ではなく, プライマリー形態の変更を促す必要条件であったとは考えにくいのではないかという知見を得た。

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© 2016 日本政治学会
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