年報政治学
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《公募論文》
投票行動におけるシステム正当化の役割
―経済的システム正当化への着目
中越 みずき稲増 一憲
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2024 年 75 巻 2 号 p. 2_286-2_305

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抄録

 経済的格差と貧困が拡大し、有権者を取り巻く状況が大きく変化するなかでも、自民党は長期政権を成立させ続けている。それでは、現代において自民党に投票する低所得者の心理背景はいかなるものなのか。本研究では、社会心理学の理論であるシステム正当化理論に着目し、選挙直後のweb調査を通して、所得とシステム正当化傾向がいかに投票政党の選択に寄与しているかを検討した。多項ロジット分析を行い、予測値を確認したところ、経済的システム正当化傾向(Economic System Justification: ESJ)が強くなるほど自民党へ投票する確率が高くなっていた。さらに、ESJと所得の交互作用を確認した。その結果、一定程度にESJが強いと、高所得者よりも低所得者の方が自民党への投票確率が高くなる傾向が示された。本結果は、経済的側面におけるシステム正当化プロセスが、低所得層における自民党への投票の心理基盤として存在している可能性を示唆する。

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