熱硬化性樹脂
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フタル酸ジアリルの三次元化 : ゲル化点以降のゲル成長過程における微視的不均質化
松本 昭中島 秀幸大岩 正芳
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1988 年 9 巻 3 号 p. 141-148

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抄録
フタル酸ジアリル (DAP) の塊状重合を80℃で行い, ゲル化点以降のゲル成長過程について詳細に検討した。すなわち, 系中にゲルが生成し始めると急速にゲル含量が増大し, 重合系はゲルと未反応モノマーから成る共重合系へと移行した。例えば, 重合率50%ではゲル分率が90%を越えており, ゲルがほぼ等量のモノマーによって膨潤された状態で存在することになる。重合後期ではこのような膨潤ゲル中という不均一場での重合であるにもかかわらず, 重合初期と比較して何ら異常性は認められなかった。これらの結果はゲルが系全体に均一に広がった状況下では理解し難く, ゲル化点以降急速にゲルの不均質化 (ミクロゲル化) が進行し, 重合後期ではミクロゲル間の微視的空隙を反応場として未反応モノマーが重合しているものと推察された。これに対応して, 生成ゲルの膨潤比は重合の進行とともにゲル化点直後の非常に大きな値から急激に低下した。加えて, ゲルの不飽和度および還元粘度, さらにはゲル化重合液への溶媒の浸透性からも支持する結果が得られた。
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