2001 年 22 巻 4 号 p. 212-217
尿水中の尿成分を排除し, 水を選択的に透過する水選択透過膜としてキトサン膜を両末端にエポキシ基を有するジエチレングリコールジグリシジルエーテル (DEDGE) または両末端にアルデヒド基を有するグルタルアルデヒド (GA) で架橋して調製し, これらの膜のパーベーパレーション法における透過分離特性に及ぼす膜構造の影響ついて検討した。その結果, 尿成分の1つであるアンモニアの透過においては, いずれのキトサン架橋膜も水を優先的に透過し, 特に, DEDGE架橋膜において優れた水選択透過性を示した。また, 架橋剤濃度変化に伴う透過分離特性変化に及ぼす膜構造の影響を, 膜密度, 膨潤度および膜表面特性の観点からさらに詳細に検討を加えた。