神経心理学
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原著
縦版Trail Making Testと横版Trail Making Testにおける成績の違いについての一考察
―若年健常者における縦版,横版Trail Making Test成績の比較から―
武田 千絵中嶋 加央里能登谷 晶子砂原 伸行
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2017 年 33 巻 3 号 p. 207-215

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抄録

Trail Making Test(TMT)は,Halstead-Reitan Batteryの一つとして報告された縦型のTMT(縦版TMT)と鹿島らが作成した横型のTMT(横版TMT)の二つがある.しかし,2つのTMTでは成績が大きく異なり,その原因について詳細な言及はなされていない.今回若年健常者を対象に2つのTMTを実施し,所要時間を比較した.その結果横版TMTが縦版TMTよりも所要時間が延長し,Part A,B間で所要時間に差がなかった.縦版TMTの所要時間はPart Bで延長した.TMT完遂までに引かれる線の長さを除して検討したが,横版TMTが縦版TMTよりも遂行時間が延長した.縦版TMTは線が円を描く軌跡になるのに対し,横版TMTでは線がランダムに重なっていくため,視覚探索が困難となり所要時間の延長につながったと考えられる.

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© 2017 日本神経心理学会
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