2025 年 41 巻 4 号 p. 183-190
臨床神経心理士は,神経科学,医学,心理学などの知見をもとに,困難を抱える症例の健康や医療に携わる,対人援助職としての技能を前提としている.稀で非典型的な症状を示す対象者を,正確に評価・診断を行い,適切な治療を行う際にはその技能が大いにいかされ,対象者の心のケアにもつながりうる.そのためには知識を深め,経験を積み,他職種と連携し多様な視点から議論を行い,研鑚を重ねなければならない.近年臨床現場では疾患修飾薬への期待が高まり,適切な対象者の選択と薬剤効果判定に,臨床神経心理士の専門分野と言える認知機能の非常に軽微な変化の評価と判断の重要性は増している.臨床神経心理士の活躍が大いに期待される.