プール学院短期大学
1985 年 34 巻 9 号 p. 53-66
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日記文学作品の構造は、唯一、体験時の<主体>と、その体験を回想し叙述する、執筆時の<主体>との、相互補完的な関係構造としてのみ、抽出可能である。そこで本稿では、『蜻蛉日記』における<主体>の関係構造が、上中巻から下巻に至るにつれて、どのような変様をこうむるかについて論述する。具体的には、夢の<記述>と、その<解釈>を通して、その関係構造が、<対話>から<抑圧>へと向かわざるを得なかった経緯について、跡付けた。
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