日本文学
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読者論からみた文学教材の構造と機能(<特集>文学教育における<虚構>とは何か)
深川 明子
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1986 年 35 巻 7 号 p. 1-10

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抄録

本稿は、文学教育における学習者理論と教材理論の二元論の止揚を目的として、W・イーザーの読者論をもとに、文学教材の構造と機能について考察したものである。文学教材は、その呼びかけ構造によって学習者への働きかけをおこない、読みの相互作用を成立させている。そして、学習者との相互作用によって生じる空所や否定こそが読みを促進させている。そのことを、教材「一つの花」と「ごんぎつね」を例に説明した。

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© 1986 日本文学協会
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