日本文学
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実録体小説の原像 : 「皿屋舖辨疑録」をめぐって
小二田 誠二
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1987 年 36 巻 12 号 p. 49-59

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抄録

馬場文耕作とされる「皿屋舗辯疑録」の構成要素の検討を通して、皿屋敷伝承の実録化に関与した文化圏について考察する。この伝承は、巡国の聖や祐天説話を生んだような浄土宗門の説教僧の手を経て実録化されたと考えられる。この事情は、本作が、説教から近世的な講談への過渡的な意味を持つことを示すと共に、講釈師の文化圏が、説教者達と、かなり深く重なり合って、近世口承文芸、舌耕文芸の形成に関って来た事も示唆している。

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© 1987 日本文学協会
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