国文学研究資料館
1988 年 37 巻 6 号 p. 32-45
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従来、成立論の視点からのみ検討されていた宇治拾遺物語の序文を「巡り物語」論の再検討とあわせ、作品の始原をになう一種の <神話>として読み直した試論。序文にいう源隆国の平等院南泉房聞書き話の意義を、宇治の宝蔵との対比、枠物語としての「巡り物語」の構造化、猿楽わざをおびる書き手隆国の「拾遺」(侍従)の特性、離宮祭に象徴される祝祭的な宇治の境界時空、宇治川の流れや泉に響きあう<水辺>の物語、水の隠喩としての作品構造等々の面から考察した。
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