東京都立大学大学院
1989 年 38 巻 8 号 p. 10-21
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気質物における<気質>とは、人間の類型的把握・描写のための概念ではなく、愚人譚としての小説を作るための方法である。この解釈にそって、気質物に対する性格描写の欠如等の近代的評価を退け、其磧以後の南嶺・秋成・亀友といった気質物諸作家の位相を概観した上で、愚人譚としての気質物、および浮世草子としての気質物の意義を探る。その意義とは、言わば、浮世草子・気質物が内包する懐疑主義的な性格に関する問題である。
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