早稲田実業高校
1991 年 40 巻 1 号 p. 1-13
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『書生気質』では様々な戯作の趣向が再生させられている。小町田の来歴を語る第二回や、兄妹再会が言祝がれる大団円などで、会話中に示されるべきストーリーが地の文に転換されて語られる趣向もその一つで、『梅児誉美』に見出せるのである。しかし、その手法に対する認識には、彼我に異質な方法意識を読み取ることができる。両者の差異を、テクスト外の言表行為の主体である<作者>の問題として捉え、具体的に考察しようと思う。
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