日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
『源平盛衰記』の一性格 : 「政道」をめぐって
榊原 千鶴
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 40 巻 1 号 p. 36-49

詳細
抄録

『源平盛衰記』は、儒教の政治思想に立脚した政道観を尺度として、天皇や上皇を為政者としての面から評価する。乱国のもととなる失政を指弾し、仁政あるいは徳政といった正しい政道を提示する。その際、ことわざを挿入することで、その場の状況を収斂し、個々の出来事に普遍性を付与する。したがってそこに、後の世の鏡であろうとする一性格を見出すことができる。

著者関連情報
© 1991 日本文学協会
前の記事 次の記事
feedback
Top