名古屋大学
1991 年 40 巻 3 号 p. 24-32
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政治から疎外された幕藩体制下の天皇は、国家が幻想される際にのみ人々の意識に上る、象徴・文化天皇である。国学者のその天皇に対するイメージを、秋成と宣長を比較しつつ論じた。現実の天皇の無力化・象徴化を逆に挺にして、神話形而上学と絶対的ナショナリズムの構想に向かう宣長に対し、秋成は神話と歴史の連続性を否定し、自らの国学を遊びと規定することによって、歴史の上の天皇を肉体化し、相対主義的なナショナリズムの立場を守っている。
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