日本文学
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仏教東漸と阿育王伝承 : 日本霊異記上巻第五縁<吉野寺縁起>の思想
山口 敦史
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1994 年 43 巻 10 号 p. 35-45

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抄録

『日本霊異記』上巻第五縁の<吉野寺縁起>に見られる、水の中から仏像が出てくるという要素は、中国の仏教関係典籍に頻出するものである。そこに見られる<見出された仏像>伝承は阿育王伝承と分かちがたく結び付いている。ここでの「阿育王」は、古代東アジアの仏教文化圏における国家仏教の理念の体現者として認識されている。その認識が容易に国家仏教の<始源>や仏教東漸の理念と結び付き、また何度も反復される世界認識として表われてくることによって、説話の様式を形成していく。

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© 1994 日本文学協会
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