明治大学
1994 年 43 巻 6 号 p. 10-18
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<性>という身体性の問題を『風土記』の歌垣についての説話、あるいは『万葉集』の相聞歌、および『日本霊異記』の説話を材料として分析する。性は、一方ではきわめて個的なものでありながら、他方ではその個の属する共同体にからめとられており、<性>の表現は、この個と共同体の間で揺れ動き、引き裂かれている。こうした傾向は、次の時代に生まれた仏教説話においては性の分業の問題として置き換えられ、性の身体性そのものが否定されることを論述する。
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