1998 年 47 巻 11 号 p. 70-79
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尾崎翠は日本を代表する女性幻想小説家である。その幻想性は、明治・大正期を通じて日本に移入され批評的に展開された「恋愛」(Romantic Love)の文化史に深く関わりを持っている。本論は尾崎翠が「こほろぎ嬢」や「第七官界彷徨」を初めとする連作などの完成期の作品群のなかで、近代の造り上げた恋愛に内包される男女の権力関係をいかに批評的に捉えていたかを考察するものである。
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