日本文学
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系図を綴る中世武士(<特集><偽書>の中世)
佐藤 晃
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1998 年 47 巻 7 号 p. 1-9

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抄録

安東(秋田)実季は、中世・安藤(東)氏から近世大名・秋田氏への転換期に、蟄居の身となった人物である。実季が、死の前年まで綴った系図は、蝦夷に系譜を持ち、奥州安倍氏の血を引く自家のアイデンティティを、「勅免シテ北国ノカタメトナ」ったものへと定位し直すものだった。そのため系図のなかの多くの記述が、朝廷に対する「勅免」劇の反復といった内容を持つものとなった。正史の歴史叙述の行間に自家の存在を滑り込ませ、かつ、その在り方を観念的に論理化してみせたのが、実季の系図作りの<創造>であったといえよう。

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© 1998 日本文学協会
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